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取扱商品

ABS
ABSとは ABSは、「アクリロニトリル(Acrylonitrile)」「ブタジエン(Butadiene)」「スチレン(Styrene)」の3つの成分を組み合わせた合成樹脂です。それぞれの成分の頭文字を取って、ABSと呼ばれています。 ABSは衝撃に強く加工性に優れ、自動車外装や家電製品にも使われるプラスチックです。ただし、薬品や高温に弱いため、使用条件によっては取り扱いが難しい場合があります。切削加工時にも、適切な工具選定や温度管理が重要です。
ABSの特徴・特性

ABSは特徴が異なる3つの成分を含むことから、バランスの良い特性を持ったプラスチックです。
各成分由来の特性
アクリロニトリル:耐薬品性、剛性
ブタジエン:耐衝撃性
スチレン:成形性、光沢


耐衝撃性
ABS樹脂は、衝撃を吸収するブタジエン(合成ゴムの原料)を含むため、割れにくい特性を持ちます。ある程度の高さから落としても破損しにくく、耐久性テストでも高い評価を受けています。この優れた耐衝撃性により、自動車のバンパーや家電の外装カバー、ヘルメットなど、安全性が求められる製品に多く採用されています。

耐薬品性
ABSは、アクリロニトリル成分の影響で酸やアルカリ、アルコールなどに対して比較的安定した特性を示します。ただし、アセトンなどの有機溶剤、強酸・強アルカリには影響を受ける可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。特に、薬品が飛散・付着する可能性のある産業現場や医療現場では、使用環境に適したグレードを選定することが重要です。

接着性
ABSの成分であるスチレンが溶剤系接着剤で溶融するほか、別の成分であるアクリロニトリルも接着剤と化学的に結合しやすいため、接着性に優れています。一般的には、溶剤系接着剤やエポキシ系接着剤、ドープセメントが用いられます。部品同士を強固に固定できるため、小型部品の組み立てや複雑形状の製品に適しており、試作品や少量生産における安定した組み付けが可能です。

加工性・成形性

ABS樹脂は、射出成形や押出成形、真空成形といった成形加工の出来が良好で、複雑な形状も製作できます。薄板加工やフィルム化、パイプ成形など多様な加工が可能です。さらに高精度の加工が必要な場合には、切削加工で対応できます。着色や塗装、メッキ、印刷などの仕上がりも良いため、意匠性やデザイン性を重視する製品にも適しています。



ABSのメリット
アクリロニトリルとブタジエン、スチレンの3成分の特性により、ABSには優れた美観、高い強度、加工のしやすさといったメリットを備えています。

ABSのデメリット
ABSは優れた特性を持つ一方で、特定の条件下では使用に不向きな場合があります。有機溶剤による劣化、燃焼しやすい性質、耐候性の低さといったデメリットを理解し、適切な対策を講じることが重要です。


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